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政府のつとめ  27 agosto 2005

 選挙も近いことですし、国に政府というものがある事の意味を考えてみたくなりました。
 なぜ政府が必要かというと、国民のための仕事のうち、利害関係の中でしか動く事の出来づらい民間企業がやれないような、言い換えてみれば、まるで儲からないような仕事を国民の総意のもとに託し、それらを執り行っていただく事にあると思います。
 特に柱となるのは、国民の安全の確保、治安の維持という辺りの仕事ではないでしょうか。
 それと正しい意味での機会均等と平等を作る事。
 国の存亡に関わる切実な問題としては、今は何といっても人口減少を止める事と、国防をしっかりする事かな、と思っています。
 極端な話、誰も子どもを産まなくなれば100年しないうちに国は滅亡します。
 また、国防をなさねば不要な戦争を呼び込む事になりかねません。
 犯罪の検挙率が目を覆うばかりに低下している現在、警察官の大幅増員は仕方無しに必要でしょう。
 また国民のあいだに機会均等を作る事は、非常に大切な国のつとめでしょう。これは結果の平等を求める事ではありませんよ。結果の平等を求めると、それはむしろ社会の活力を奪い去ってしまうのはキューバなんかを見ているとよくわかります。一時児童・生徒に客観評価を与えないごときが流行りましたが、恐ろしい事です。生存する、という事の真理には厳しいものがありますから。また、性差をわきまえない、いたずらな平等も、生命の道理からはずれやしないかとヒヤヒヤものです。
 郵政や道路行政も公共性の高い仕事ですね。寒村にサービスをしくことは儲けにはならないでしょうけれど、これもやはり社会の公平のためには必要な事ではないでしょうか。
 何だかんだと言っても、田舎の僻地に銀行はありませんからね。郵便局はあるんです。郵便局が地域の利便性に多大なる貢献をしているのはまちがいありません。友人に郵便局をやっているものもありますが、話を聞いていると結構苦しそうで、民営化され、合理化されたらこれら僻地の郵便局はもたないだろうと想像できます。
 民営化すればその資金が民間に還流するとも言われていますが、多くは外資に流れ、それによって国の自主性が奪われるのではないかと不安です。また例えば、その郵貯の資金は広島六区に立候補した堀江君のフトコロにも流れ込むことでしょう。彼が郵政民営化に賛成なのはその利害関係から当たり前ですが、私は不健全な株取引は苦手ですな。なにがしかの生産的な働き無しに、お金がお金を生むような、投機的株の運用には個人的信条から賛成いたしかねます。
 また彼は、株主の意向に沿って会社は動くべきとは言うけれど、それでは株主が自分の持ち株企業の責任を取ったことがあるだろうか。何か不祥事があれば謝るのはいつも社長である。「投機目的の株主」は業績が悪化した時には売り抜けて逃げるだけ。そんな人達の権利を強めてしまったら世の中不健全になってしまいます。
 会社はそこで働く従業員のものでもある、という側面は必要ではありませんか。社員の福利厚生をも担い、社会共同体としての性格を持ち合わせていた従来の日本企業の姿は簡単に捨て去ってしまえる程価値のないものだったのであろうか。
 今、小泉政権によって改革の名の下に破壊されつつある、これら日本型社会システムは現在の繁栄をもたらした一面がある、ということを忘れてはならないでしょう。
 改革で何か良いことありましたか?多くの人がリストラに泣き、給料が下がり、生産拠点の海外移転により首を切られ、また若者は就職出来ず・・・合理化の帰結として、随分と弱肉強食の世の中になりましたね。
 これだけ泣く人を出せば、そりゃ企業の業績も、合理化に伴う犠牲者の上にあがってくるでしょう。
 
 確かに無駄をなくすという意味での合理化は必要でしょうが、もう少しソフトなやり方があるような気がします。
 そんなに世の中の皆さんは、日本の社会が苛烈な弱肉強食のアメリカ型社会になることを望んでいるのでしょうか。

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