ニューアルバム最後のドラムトラックを 23 enero 2006
アプリケーションのバグによりフロアトムが消えてしまったため録り直しとなったニューアルバム最後のドラムトラックを先週金曜日、夕方までのリハを終えた後に一気に収録しました。
一回出来たものを再度手直しするのはホント根性を必要とします(^_^;)が、なんとか。
しかし、ドラムトラックを後に入れるというのは、いざ実行してみると方法としてはあまり芳しくありませんね。ドラムは先に録った方がいいですよ、絶対。
今回のアルバム、全てを一人で録音するのには必要不可欠な「計算」みたいな部分を何とかして少しでも取り除こうと考えていたのですが・・・例えば「ドラム→ベース→コンガ→ピアノ→フロント楽器」と録った後、その録音された演奏を聴きながら更にドラム等を入れ直し「楽器間の反応」のようなものを作り上げたかったのです。
が、試してみたものの、やればやるほど「リズム等の誤差」も大きくなり、方法論としてはともかく、現実問題としてはあまり良い方法ではなかったようです。
クリックに合わせて叩いたドラムは、限りなく正確に叩けたとしても、やはり人間のする事ですからどうしても「微妙な誤差」を生じます。
その「微妙な誤差」を持ったドラムのトラックに反応しながら録音する次の楽器はさらに大きな誤差を含む事になり、その大きめの誤差を含んだトラックを聴きながら再度ドラムトラックを入れたりすると・・・結構大変な事になってきます。一時はやり遂げようと思ったのですが、その方法は結局あきらめました。
二回演奏すれば単純に倍の時間を必要とするというのもあります。
・・・即興の要素が強い、ジャズっぽい音楽には、やはりいわゆる「せーのーで」が宜しいようです。・・・
で、どーしたかといいますと、一度ラフにMIDIで楽曲を完成させた後、それ等の演奏を聴きながら各楽器の収録を進めてみました。
これくらいが一番イイ感じになるようです。楽器間の応酬といったものも出ますし、リズムの乱れなんかもまあ許容範囲内に収まります。
今回アルバムの曲のうち三分の一から半分くらいは、こういった面倒くさい手法を採ってみました。
パーセンテージが曖昧なのは全てのパートを二度録音した三曲以外にも、部分々々そういった「反応を作り出す手法」を採用した曲があるからです。
例えばソロピアノで大体のイメージを録音しておき、クリックと一緒にその演奏を聴きながら本チャンのトラックを収録するとか、そんなのです。
そんなわけで大雪の前夜までに全てのトラックを録り終え(今度こそ)、あとはミックスを残すのみですが、こちらミックスももう曲によっては10回以上やり直してますから大体まとまってきています。
中々難しいのですよ。大きいスピーカーで丁度思ったようにリバーブを作っても、小さいスピーカーで聴くと物足りなかったり。あるいはバスドラ「おお、抜けイイじゃん!」と思ってミックスしてみても、貧弱なスピーカーで聴くと思いがけず乾いて抜け過ぎていたり・・・。
また収録期間が4回くらいに分かれているので、同じ楽器でも曲によって質感が変わっていたりします。いざやってみると同じ人間の演奏なのに日によって音量やノリ方がまちまちなのです。だから生演奏は飽きないのでしょうが。・・・そんなのも楽曲間同士フェーダーやイコライザーをいじってはある程度質感を統一させてみたり・・。
時間をかけてマイクの位置や何やら研究したので、そちらの面では色々と収穫がありました。
単純にプレーヤーとしても、こうなってるとこう録られるというのが、今はよくわかります。