サルバドールの守護、ボンフィン教会へ 26 abril 2006
昨晩から色々と考えたあげく、5月1日 月曜日までの予定だったサルバドール滞在を4月28日金曜日までにと3日間縮める事にした。
昨晩のスクリーンでみたオロドゥンのコンサートが思ったようなものでなかった事が大きいかもしれない。
オロドゥンの音楽は、少し私にはシンプル過ぎるように感じた。
とはいえ、こういったシンプルさは大衆にアピールする可能性をおおいに秘めているので決して悪いものではないと思う。
またオロドゥンの持つリズムは非常にファンキーでソリッドである。
しかし、複雑なシンコペーションが精密にからむキューバ音楽を聴き慣れてしまった私の耳に、それを存分に楽しむ事などはもう戻れない感覚であるかもしれない。
そして今はさらに北部の音楽を存分に楽しみたいという気持ちが強くなってきているので、こちらでの滞在を縮めた分、北部のリゾート都市ナタルへの滞在を増やしてみようと思う。これは日本からブラジル・サンパウロへと向かう飛行機の中で決めた今回の旅程では、訪問するつもりのなかったところではあるが。
そうと決めたら早速ホドビアリア(長距離バスターミナル)へチケットを買いに行く。
次の目的地、フォルタレーザ行きのチケットを買った。
4月28日20:00発レイト(寝台)145ヘアイス。
ホドビアリアから道路を横切った正面にイグアテミという大きなショッピングセンターがあるので、そこでお昼ご飯にでもしようかと思って行ってみる。
が、丁度お昼時で席を探すのが難しいくらい混雑していたので、あえなく撤退する。
人混みは非常に苦手なのです。
そのまま、あの有名なボンフィン教会を訪ねてみようと思い、Ribeira(ヒベイラ)行きのバスに乗る。1.9ヘアル。
13:25発、13:43ラセルダエレベーター前着。13:55ボンフィン教会前着。
サルバドールの守護教会、ボンフィン教会
ボンフィン教会前のバス停へと到着しても雨は止まない。
教会のある少し小高い丘に登ると、ここには物売りが集団となって立ちふさがってちょっと面倒なところだ。
なんだかんだとボンフィンのリボンを手首に巻き付けようとしてくる。
このリボンを巻かれてしまうと、ものすごい物売り責めにあうこととなる。
しばらく教会の中やその周辺をうろうろした後、宿へと戻る事にする。
オニブスは下町コメルシオ地区を通り過ぎると、宿のある上の地区まで登る事を知っていたので、なるべく宿に近いところで降りようかと思い、そのままバスに乗っていたら次の停留所は思いのほか先の方で、目的地付近とは遠く離れてしまった。
バスを降りた後、道路にかかる案内標識を頼りに宿のあるペロウリーニョ歴史地区を目指す。
途中、定食屋の兄ちゃんに呼び止められたので、そのままお店へと入ってみる。
定食屋の兄ちゃんと
色々と話をするのだが、真の地元人、というか、外国人慣れしていないブラジル人と話をすると、いくらゆっくり喋ってくれといってもスピードは緩まないし、ごく普通にポルトガル語で話かけられるから、かなり聞き取りに苦労する。
サッカー、日本が何とか杯でどうしたとか、そんな事なのですが、私はその話題に疎かったため増々何の事かわからない。
こちらの話す事は大抵理解してもらえるのですが。
不意に「ガロータはどうだった?」と聞かれる。
どうやら女の子の事をガロータと言うらしい。
そう言えば先日、宝石商のヒタさんに「あなたはガトー(猫)だわ」とお世辞を言われた事を思い出した。
男の比喩が「ガトー」だから、女の子の比喩は「ガロータ」。
ヒタさんの話によると、ブラジルで猫は良い意味の喩えになるそうだ。逆に犬の比喩は悪い意味になるそうである。
ここでピンと来た。
ジョビンの名曲「イパネマの娘」のタイトルがもつニュアンスを今、突然理解出来た気がする。
それはただの女の子ではなく「ガロータ」なんだ。
子猫ちゃん・・か。
そうこうしているうちに、注文した鳥のフィレ肉定食の皿が次々に出てきた。
ブラジルもキューバも似たようなもので、定食はタイ米のご飯にあずきのスープ、フライドポテトにサラダ、それに主菜の肉料理。
これにご当地ビール「ノビ・スキン」を一本つけてもらう。
鳥のフィレ肉定食とノビ・スキンではなくスコール
ようやく宿へと戻る。
夕方旧市街へと散歩に出たら、黒人の女の子が私に声をかけてくる。
スラッとした細身の、中々のガロータだ。
あまり気にもせず歩いていると、ずっとついてくるので近くの展望台で腰掛けて少し話をした。
「カポエイラはやらないの?」と言って、独特の回し蹴りを見せてくれたりする。
実はこの時、私は少し頭痛がして早く宿へと帰りたかった。
このガロータはよりによってこんな日に「ビールを飲みに行こうよ」なんて言い出す。
大変残念だけど、その場をおいとまさせて頂くことにする。
少し熱があるようだ。
今夜は街も静かなので、予定されていたアシェのグループのコンサートも中止になってしまったのかもしれない。
ガロータと話をした眺めの良い公園