ティオマン島サランより出航 -Plau Tioman(Salang)→Singapura- 5 oct. 2006
朝、曇り。
今まででも最高に潮が満ち満ちている。
部屋の前からドボーンとエントリーして泳ぎ出せてしまいそうだ。
月に関係なく見る度に潮が満ちるように思えるのは、結局海を見るタイミングの問題なのだろうか。
岩場にへばり付くカニを観察しながらタイガーを1本空ける。
今朝も相変わらずピアニカの練習をして。
その後、桟橋へ海の様子を見に行ってみる。
若干うねりはあるものの、クラゲは全くいない。
曇りでうねりはあるが、思い切って泳いでみる事にする。
いざ泳ぎ出したらみるまに晴れだし、今日は最高のコンディション。
ここはキューバのバラデロかとみまごう程の、砂地海岸における透明度。
クラゲも全くいないから飛び魚のように泳ぎまくる。
沖に行っては浅瀬へと引き返し、そしてまた沖へ泳ぐ。
延々とついそれを繰り返してしまう。
見渡せば、この広い海に私ただ一人。
浜辺にも人影はなく、これはまったくの広い広い貸し切りプールだ。
全く疲れない。
全力で泳いで息が切れても、少しの間ゆっくりと泳げばすぐに元通りだ。
しかし、1時間半もそうして泳ぎ続けた後、いざ浜へ上がってみると
・・・体の重みがズーンと来た。
やはりこれだけ泳げば疲れるようだ。
海水の中で体は特に軽いが、こうして陸上に上がってみれば体はいやに重く、普段の地上生活で体を支えるのにはいかに体力を必要とするかを感じる。
部屋に戻って荷物の撤収。
今回さんざんお世話になったピアニカも鞄にしまい込んだ。
大したものは持ってきていないから、旅の荷作りはすぐに終わる。
最後のスコールを空ける。
飲み終わったビールのピラミッド
軽く昼食をとったあと、再び桟橋へ海の様子を見に行く。
風が強く、うねりがある。
戻る船が大きく揺れやしないか、少し心配。
慣れ親しんだ部屋をあとにして、今回は荷物を持ち桟橋へと向かう。
帰りの船は定刻の15時を少しまわった頃やって来た。
心配した揺れも大した事なく順調にABC、テケッ、パヤとまわる。
乗船者がまばらなせいか、船はいつもに増して快速だ。
最後のニッパーで中国人の団体が乗り込んできた。
どこでもそうだが、中国人の喋る言葉や笑い声は特に耳を突いてうるさい。
あまりに騒ぎ方が強烈なので、仕方なく耳栓をする。
マレー人も車掌も苦笑いしている。
私の、音の嫌いな二大言語は中国語と米語だ。
米語の、Rの巻き具合を私の感性はええかっこしいと捉えてしまうから、そして、それをする自分を恥ずかしいと思うから私はそれを発音する気になれない。
米語とは出来れば永久に喋りたくない言語だ。
中国語はどこへ行ってもよく耳にするが、とにかく耳にうるさい。
あれほどやかましさレベルが平均して高いのは一体どうしたものか。
しかし、どんなに周りの旅行者から眉をひそめられても騒ぎ通す根性はたいしたものだ。
恐るべきは中国人。
いや、正確に言えば、私が目にした彼らはたまたま教養の低い中国人だったのだ。
もっと正確に言えば、私が目にした彼らはたまたまうるさい状態であった。
確かに平均して中国語はうるさいとは思うが、全ての中国人がうるさいわけではないし、また同じ人物がいつもうるさいわけではないだろう。
何人かいる中国人の友人は特に静かだ。
私たち一人々々も、外国にいれば関わり合う人たちにとってはその時その時、いちいち日本人を代表する存在となってしまうだろうから、振る舞いには気を付けなくてはなるまい。
イタリア人女性はすごいと思った。
あんな彼らに話しかけられても、話をしている間だけは船内の雰囲気を壊すまいと、ニコニコとして話す。
彼らの視線が彼女達からそれたとたんに眉をひそめる仕草をするとしても。
さて着岸が近くなってきた。
半島の岸が近くなると海水が極端に濁り始める。
河川水が相当に混じっているからなのだろう。
島の海水が透明なのは、流れ込む河川水が少ないのも大きく影響しているのだろう。
16時半、メルシン港の埠頭に着岸。
やっとうるさかった彼らともお別れだ。
どこからかバス?タクシー?と聞いてくるお兄ちゃんが現れたので案内されるがままについていってみる。
この場合はまず何も心配いらないが、知らない人に声をかけられ、それに反応する事はとても趣き深い事である。
さて案の定、バスのチケットを扱う旅行社へと案内して頂いた。
ここでシンガポール行き国際バスのチケットを買う。
15RM。
ジョホールのラーキンバスターミナルで国境を越える星柔快車に乗り換える、いつもの行き方よりも国境越えが楽ちんとの噂があったので、5割ほど高いがこちらにしてみた。
5割増とはいっても、150円高いだけだ。
バスは定刻通り、17時半にメルシンのターミナルを出発した。
19時を過ぎると、通る道沿いにジョホールバルのベッドタウンが続く。
19時半ラーキンバスターミナル着。
車内で発車を待っていたら、車掌より乗り換えろとの指示。
バスを降りて案内人について行くと・・・その案内人はなんとあの星柔快車の切符を買ってくれた。
・・・たったこれだけのために、ただ本来自分で買う切符を案内人が代行してその場で買ってくれただけのために5割増の運賃が存在するとは!
なんという国際バスだ。
もう絶対に乗る事はないだろう。
案内人が買ってくれた切符を手にして、あとはいつものように国境を越えるだけだ。
何も変わりはしない。
マレーシア側国境越えはガラガラでスムーズだったが、コーズウェイの先、シンガポール側の国境越えはなぜか大混雑。
1列30人待ちだな。
マレーシア側ではうまくいったけれど、こちらでは同じ星柔快車には乗れないな、と思っていたら、パスポートコントロールを無事に通過後、星柔快車が待っていた。
結局シンガポール側の国境を通過するのに、今日は30分もかかったのだ。
星柔快車はだいたい30分に1本やって来る。
ブギスに着いたのは20:45。
地下鉄ブギス駅前の西友で、タイのシンハービールを見つけてしまったので飲んでみる。
こちらでひいきにしているシンガポールのタイガービールとどっこいどっこいの軽くて喉越し爽やかなうまいビールだ。
うま味、コクといったものはこれらにはまるでないが、暑い国で水が割に飲むには都合の良いビールだ。
ちなみにこの西友は22時まで営業している。
西友に22時ちょい過ぎまでいて、そこから地下鉄で空港に到着したのは22:45。
まだまだ賑わっているし、開いているお店も多い。
さすがはチャンギ国際空港だ。
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