マタンサス(Matanzas)を出発 30 junio 2007
快晴。
水は結局、宿の人が止めていたようだ。
なぜ?
8時まで待ったが、出ないのでたまらず階下のシャワーを借りようと思ったところ「1分待って」と言われ、自室の方でも水が出始めた。
しかし、タンクを満タンにする前に水は止められてしまった。
充分に水が使えないのには、何か理由があるのだろう。
しかし、いずれにしても旅行者にとって断水は最も恐ろしい。
例えば、あなたはトイレが流せない恐怖を味わった事がありますか?
どちらにしても残念ながら、こちらの宿に長居は出来なかったな。
そういえば、ここマタンサスで今回初めて蚊に刺された。
虫避け、虫刺されの準備はハバナとサンチアゴ、それにカマグエイといったキューバ3大都市の中心にいる限りは必要ない。
が、ここマタンサスやこれから行くバラデロでは必要だ。
特に夜、バラデロのセントロにたくさんあるオープンテラスのレストランで食事をする時には。
最近では電池式で携帯できる蚊取り器もあって、それが便利だろう。
とはいえ一番効くのは昔ながらの蚊取り線香。
いずれもバラデロにいる期間分の必要量を準備すればよい。
リベルタ公園前で待つも、タクシーはなかなかやって来ない。
10分ほども待っただろうか、一台の車から声が掛かった。
闇タクシーだ。
降りる時にお金の受け渡しをすると、彼にとっては都合が悪いだろうから乗車中にお金を渡す。
ほどなくしてナショナル・バス・ステーションに到着。
どうやらバラデロ行きのビアスールバスには間に合いそうだ。
10:26。
バスは遅れているようだ。
する事もないので、アストロのバスを観察したりする。
ユトン・バス(YUTONG BUS)だそうだ。
この名前は中国製・・・ですよね?
バス停前にコッペリアがあって、いつも混んでいる。
10:35、突然にバスはやって来た。
待合室にいれば、係の人がバスの到着を教えてくれる。
慌ただしく乗ってすぐに出発。
運賃は車掌に払う。
ビアスールが30分も遅れるなんて珍しい。
11:45ホテルに到着。
ここまでのタクシーは2.4CUC。
メーター制だ。
景色が懐かしい。
早速泳ぎに出掛ける。
久々に見るバラデロ海岸はやはり真っ白できれいだ。
泳いでみるが、今日は全く波がない。
あれっ、いつもこんなに穏やかだったっけ?
潮流の特に速いところもない。
クラゲもいなければ藻も生えていない。
珊瑚も全く見られない。
時折小魚は見受けられるものの、ここは静かで巨大な海水プールのようだ。
海岸線に平行して泳ぐなら、それぞれの好みに応じて適当な深さの場所がどこまでも続く。
物売りも皆無。
喧噪とパッションがキューバなら、この穏やかさもキューバだ。
1時間半ほど泳ぎまくってホテルの部屋へと戻り、シャワーを浴びる。
さ、コッペリアに行くぞ。
行ってみたら・・・
・・・コッペリアはどうやら改装中だ。
残念。
これは結構楽しみにしていたのだけれど・・・。
キューバの有名なアイスクリーム店「コッペリア」は通常どこの街のでも混んでいて、列を作り1時間も2時間も待たなければ食べられないのだが、ここバラデロでのみは外人租界地だからキューバ人で混む事が殆どなかったのだけれど。
仕方なくすぐそばのラピドに行った。
以前にはなかったブカネロの中生(500ml)があった。
即注文。
1杯1.2CUC。
日本に比べるとビールはまだ安い。
しかし日本の最盛期には100円で飲めたものが、今や170円だ。
これでは日本人旅行客が減って当たり前。
初めてキューバに来た11年前、日本人にはほぼ全く会わなかった。
それは観光客としてではなく、キューバ人の家庭に住んでいたせいであるかもしれないけれど。
日本人を頻繁に見かけるようになったのはブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブによりキューバブームが起こった頃だ。
今回はまた日本人を全く見かけなくなった。
この為替レートでは、来たくても来られない人が大勢いるに違いない。
10年前の自分は、為替レートが1CUC=120円なんて世が訪れた時にはもう二度とキューバには来られないなと本気で思っていた。
現在1CUC=138円。
3年前には確か1CUCが107円、手数料込みくらいで両替出来たのではなかっただろうか。
大通りを挟んで宿の筋向かいにあるスーパーは入り口にゲートが出来ていた。
もう少し海沿いをブラブラする。
以前よりもキューバ人が多いように感じたが、そのせいだろうか、ペソ払いの店も増えている。
泊まっているホテルから海に向かった辺りにたくさん屋台が並んでいる。
そのうちの一つの店の行列をつくり、ついついペソでピザを買ってしまった。
5ペソ。
これはしかし美味しいです。
生地から作って窯焼きだ。
この5倍の値段はするラピドのピザは冷凍ものだから、そりゃあこちらの方が美味しくても納得だ。
レストランによっては10倍、15倍の値段が付くけれど、はたしてこれを越えるものかどうか。
少なくともこの価格差分の価値ある一品を出せるピザ屋はキューバには存在しないだろう。
ペソ屋台万歳。
16:00。
バラデロでは滅多に雨が降らないけれど、それでもこの時期、午後にはやや雲が多くなってくる。
快晴とはいかないけれど、よく晴れ渡っている。
キューバ人の日帰り団体が多い。
16時には帰りを知らせるチャーターバスのクラクションがいくつか鳴った。
カミオンのチャーターもちらほらと見かける。
カルデナス辺りから来ているのであろうか。
16:40。
何やら急に黒い雲が押し寄せてきた。
雨は降らない。
ホテルから裸足で泳ぎに行ってみる。
お昼過ぎよりもかなり潮が引いていた。
かなり波立っている。
推定海水温34℃
夕方の海は、ぬるめの露天風呂にでも浸かっているような温かさだ。
時々熱水の固まりが肌に当たる。
推定40℃。
なぜか葉っぱの浮遊物が多い。
潜ってみれば昼間よりも魚影が濃く、白い砂浜にぴたりと合う、真っ白なアジ科の魚が作る群れがいくつも見られた。
それからヒトデ。
人は相変わらず多い。
真っ赤っかに肌を焼いてしまった子どもが、明日の痛さを知らずにはしゃいでいる。
上空を、三角の羽二枚と後ろにプロペラエンジンを積んだゴムボートが飛んで行く。
そして私は浮遊物の多さに閉口して、今回は1時間と泳がずに浜に上がる。
18時過ぎ、散歩に出る。
雨が15分ほどパラッと降って、すぐに止んだ。
以前よく行ったショッピングコンプレックスはキューバ人に占領されていた。
もはやバラデロのセントロは外人租界地ではない。
世の中、変われば変わる。
写真:近くのショッピングセンター入口付近
20時。
まだまだ夕方って感じの明るさだ。
20:40。
まだ空に青さは見える。
街で見かける人の殆どはキューバ人だ。
キューバ人観光客は日帰りばかりだから、大繁盛していたペソ払いの屋台群は軒並み店を閉じ、しかし、CUC払いの高級レストランには活気がない。
人がいない。
何より痛いのは以前あちこちのレストランに入っていた生演奏の団体が今回は一つも見あたらない事だ。
これは大変残念な事だ。
バラデロセントロは変わってしまった。
超高級な雰囲気の一店に入ったが、客は私の他には誰一人いない。
調理にも40分ほどかかるという。
そりゃそうだ、お客がいないから、たぶん一から始めるんだ。
ここは確か以前はエアコンのよく効いた店のはずだったが、エアコンは止まったまま。
味は良かったけれど、うっかりして1CUCボラれてしまった。
そして結局、自分の他に客は誰一人現れなかった。
こうして、ペソで物を買うのが好きな私にはむしろ好都合な環境となってきたけれど、とにかくバラデロセントロは地元キューバ人のための行楽地へと変わってしまったようだ。
これでは再開したとしてもコッペリアも長蛇の列だな。
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