最も黒いビート 23 sept. 2010
朝。快晴。
5時頃の街は静か。
活気を帯びてくるのは7時過ぎからだろうか。
7時ではレストランもガラガラ。
賑わい出すのは8時頃から。
ここの朝食もチープだった。
パンにコーヒーとオレンジジュースのみ。
これで別払いの人は120DHもするそうだ。
卵料理の設備は出ていたので、時間によっては卵付きなのだろう。しかし、いつ?
今日は8時半過ぎの一番賑わってそうな時間に来たんだけどな。
ところでこのマラケシュはベルベルの言葉で「神の国」を意味するそうだ。
人口80万ちょいで、商都カサブランカ、首都ラバトに次いで大きい。
イスラムの版図は広いね。
古くはヨーロッパのスペイン南部からフィリピンの南部まで。
もちろんアフリカも。
モロッコの音楽にはおそらくカリブ海のそれと同じ様に西アフリカから連れて来られた黒人奴隷の影響が強いのではないだろうか。
そうとしか思えない特徴が、そのリズムにははっきりとある。
結局のところ、世の中に存在する面白そうなリズムは全て西アフリカに繋がっている感がある。
昨晩天気予報を見たら本日のマラケシュはなんと46℃。!
かつてこれほど高温なところに来たことはない。
太陽が真上ってわけではないので、陽が当たり尚始末が悪い。
いくら空気が乾いていても、これでは汗がひくことはない。
とはいえ外出。
まずはクトゥビアの後ろ。
観光バスがびっしりと停まっていたので、中へ入れるかと思いきや門は堅く閉ざされたままだった。
ジャマエルフナ。
日中はやはり蛇使いと猿回しが目立つ。
蛇使いはチャルメラを吹く。
器用な指の動き。
オレンジジュースはパスして1番のバスで新市街ギリーズへ。
レストランでゴハンしてみた。
鶏のセットが25DH。
ハーブが香ばしい。
これがモロッコ料理の特徴か。
メニューを見て「P」から始まる肉は「Pork・・・豚」かと思ったら「鶏・・・Pollo」だった。
フランス語というのは自分の目から見るとラテン語とゲルマン語のちゃんぽんだから、単語がどちらよりであるのかは常に悩ましいところ。
それにいイスラム圏で「豚肉ですか?」はないよなー(笑)
トマトも細かく刻まれて、オリーブオイル和えで出てくる。
それにフライドポテトとパン。
辛いソース付き。
飲み物は「レモナーダ」というのが清涼飲料を指すらしく「何にする?」と聞かれたのでコカコーラゼロを注文した。
なぜかもれなく炭酸水のペットボトル付き。
こちらは6DH。
いざ会計をしてみたら合計40DH。
どうやらあのサラダや炭酸水は別料金であったらしい。
帰り際にスーパーでビールを買う。
今回はフラッグピルス500mlとストークプレミエレ330ml。
しめて25DH。
先日のカサブランカ瓶とかよりずっと安いけれど、どちらもモルト100%だ。
フラッグピルスはさっぱりしている。
ミラーとか、そんなのと同系統の味。
夕方、またまたジャマエルフナ広場へ。
こんなにも広場に近いホテル、近さで選んで大正解だった。
気軽に何度でも出掛けて、休憩したくなったらすぐに部屋へと戻る事が出来る。
いくら音楽が好きで広場にずっといたくても、さすがに16時間とかいられないからねー。
こうして異なる時間帯にマメマメしく出掛けられるのは、とても便利な事なのである。
さて、広場の入り口に達するとモロッコに到着して以来、聞いた事のない激しいビートが聞こえてくる。
近づいてみると、今回のどこのミュージシャンたちより肌の色が黒い。
彼らもまたモロッコ人なのだろうか。
強烈に速い6/8拍子を複数の両面太鼓と複数の金属2連カスタネットのみで演奏する。
両面太鼓はバチ先が演奏者の方を向く、J字状に曲がったバチを2本使って演奏している。
太鼓もカスタネットも技術的にみれば単純なオルタネートの手順を繰り返しているに過ぎないのだが、やはりアウフタクトにリズムの重心を持っており強烈にスイングする。
ダンサーは飛んだり跳ねたりと元気が良い!
チップに対する執着心の強さからも、より黒い感じを受ける。
1056年に始まったマラケシュを首都とするムラービト朝は、セネガル出身のベルベル人を王としていたそうだから、そんなところからも西アフリカの人々が古くからマラケシュには移り住んでいるのかもしれない。
夜。
当然ジャマエルフナ詣出。
三晩目ともなると、大体どこにどんな人のバンドが位置しているのか見当が付くようになる。
つまりは同じ顔ぶれだ。
メタルギロみたいな「タッタカタッタカ」したリズムにダラブーカ?(ジェンベみたいな)や大きな鈴なし響き線入りタンバリンをトゥンバオとして使う全くカリビアンなリズム。
これは2/2拍子。
しかし広場で圧倒的なシェアを誇るのは6/8拍子のリズムだ。
6/8とはいっても、3/4と混交したりする。
これもカリビアンなリズムと一緒の特徴。
ベネズエラあたりでよく聞かれるリズムと同じ感じのノリ。
3/4の3つめにアクセントが来る。
二拍子系でシンキージョ「タッカタッカタッ・タッカタッカタッ」。
これもまたカリビアンの典型だ。
ハイチやキューバ。
2拍子でウラ拍を強調するリズムも黒人の典型だろう。
ロックみたいな。
6/8拍子にクラーベ感たっぷりのアクセントがのるリズムはハイチ-キューバ系。
6/8拍子に高音の太鼓で3つめと6つめに規則正しいリズムが入るのもある。
西アフリカから北アフリカからスペイン、そしてカリブ海世界と、音楽は歴史と同様に密接な関連を持っている。
民族音楽を賑やかに楽しみたいのなら、すっぱりとカリビアンなリズムでも良いのではないだろうか。
こうしてみると、それらには氾世界的に広がりどうやら優性なリズムのエッセンスが凝縮されている。
どこからかお囃子の笛のような音が聞こえてきた。
これはアジア的?
鈴なしシングル響き線入りのタンバリンが時折入れるエフェクトはティバレスのそれと音も役割も酷似している。
6つの太鼓を組み合わせて地べたに置いてあるキットは、何かの杯みたいに地面に向かって先細る不安定な格好をしている。
一つ弦の弓で弾く弦楽器は何というのだろうか。
ただ歌の節はブルースではなくイスラム的だ。
アンダルシア的ともいえる。
あるいは垢抜けないペンタトニック。
ベルベルのカスタネット、カルカベ・・・欲しいなあ。
*藤田浩司ライブ予定*
2010年10月9日(土)ギャラリー ウエストヒルズ『いのちを愛するものたちのコラボレーション ?新月を愛して?約束の青』
10月9日(土)イベント貸切日 ギターとピアノの生演奏と朗読、展示、他
12:30開場 13:00開演 16:00開場 16:30開演
それぞれ定員20名です。チケットお一人2,500円
尚、通してご覧の方は、特別共通チケット4,000円となります。(少数の為、要予約)
参加アーティスト; ギター;平野壮、 ピアノ;藤田浩司、 パワーストーンアクセサリー;Kaju☆かじゅ、絵画;Yoshi、 花・色彩;風戸彩耶加
場所;生命の森リゾート(ふる里村)内『ギャラリー・ウエストヒルズ』
長生郡長柄町上野471ー12
外房線誉田駅より専用マイクロバスあり。土気駅より車15分
2010年10月22日(金)
ナチュラルハーモニー2000
大網白里町ながた野1丁目7-7
☆tel:0475-72-7966
1st) 20:00, 2nd) 21:15
藤田浩司(Pf) https://kojifujita.com
藤巻良康(Bs) http://blogs.yahoo.co.jp/letsgroove0410
小林勝彦(Ds)
炎のファンキーラテンキューバンナイト第2弾!
2010年11月14日(日)茂原混声合唱団「四季」第18回定期演奏会
東部台文化会館
茂原市東部台1-7-15
13:30開場 14:00開演
チケット1000円、高校生以下500円
全席自由
指揮:中川知夫
ピアノ:菊元睦
ベース:藤巻良康
ドラム:藤田浩司
2010年11月24日(水)茂原市立豊田小学校
藤田浩司打楽器Duo
(藤田浩司Perc.&Piano、高崎洋平Perc.)
千葉県茂原市立豊田小学校
2010年12月17日(金)
千葉県茂原市東部台文化会館大ホール
千葉県茂原市東部台1丁目7番15
Tel:0475-23-8711
「UMIBOUZ」
藤田浩司(Pf&Dr) http://www.kojifujita.com/
五十嵐洋平(Marimba&Perc)
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