パライバ州ジョアン・ペッソーアで見たフォホーの楽団 6 mayo 2006
朝のカフェ・ダ・マニャンの後、宿の主人タトー氏にホドビアリアへと送ってもらう。
来る時には20ヘアイスだったタクシー代が帰る時には30ヘアイスだと言う。
こういう場合抗議するべきなのだろうが、和を以て尊しとする私はやはり日本人、一度人間関係が出来上がってしまうと、それを壊したくないという気持ちの方が先に立ってしまう。
おまけに氏の知り合い女性を相乗りさせて先にそちらの用事先へと向かう。
一体どういう事か。
「トカ・ド・タトー」クオリティーの高い宿ではあるが、計算高い主人が仕切っている事をお忘れなく。
さて、10時発のコンベンショナル27ヘアイスに乗り、パライバ州々都ジョアン・ペッソーアには2時間後のお昼ちょうどに到着。
ホドビアリア(長距離バスターミナル)の周りも活気に溢れ、何か楽しげな街である。
今回はロンリープラネット社のガイドに載っている宿へと向かう事にする。
ナイトライフの盛んだというタンバウ地区にあるアパートメントタイプの宿、マル・アズール。
マル・アズール室内の一部
普段は30ヘアイスだが、週末は1泊40ヘアイスだという。
キッチンと大きな冷蔵庫が付いているのが魅力。
キッチンは向こうの部屋
今回はこれで安くて新鮮なフルーツを贅沢にしぼって生ジュースを思い切り飲んでみたい。
部屋は人によってはファミリーで借りているくらいだだっ広い。
フロアでダンスパーティーが出来るぜってなもの。
荷をほどき、まずは泳ぎに行ってみる。
が・・・。
今回、今までの中でも最も砂をまいた海。
と、いうかまるで沼の水みたい。
タンバウ、宿の前の海岸
さすがに泳ぐのをためらう。
また泳いでいる人も辺りでは見かけない。
あえなく退散し、タンバウのツーリストインフォメーションへと行ってみる。
このツーリストインフォメーションで、詳しいものの、紙が分厚くて持ち運びづらいマップを頂く。
タンバウの沖合にはピカンジーニョとかいう珊瑚で出来た島があるらしい。
そこいらの舟に頼めば連れて行ってもらえるという。
是非これは行ってみたいものだ。
写真を見せてもらったけれど、とてもきれいな水だった。
その後、街の市場へ果物を買いに行く。
もちろんジュースにするためと生食用。
オレンジとパパイヤ、それにカジュとかいうのも買ってみた。
これらを冷蔵庫に冷やして散歩へ出直し。
ホドビアリアからタンバウに向かう道が海にぶつかり、ちょうど十字路になる地点を境にし、海に向かって左がタンバウ、そして右手がカボ・ブランコだ。
タンバウとカボ・ブランコを分ける大通り
バスターミナルで乗せてもらったタクシーの運転者が言うには、この両地区がジョアン・ペッソーア市内で最もホテルの密集している場所だとの事。
そのカボ・ブランコをも散歩してみたが、どうもタンバウよりこちらの方が町並みが整然としている。
いずれこちらが観光の中心地となってくるかもしれないな、と思った。
カボ・ブランコの海岸
さて、夜。
すごいすごい。
海辺のレストランでは生演奏のオンパレード。
弾き語りからフォホーまでさんざん様々。
桟橋付近の三店でフォホーをやっていたので、もちろんそこに行ってみる。
見比べてみて、ザブンバ奏者のビートのキレが格段に良かった、年配の人が演奏しているその三店のうち、真ん中にある店へと入る。
真ん中の店のフォホー楽団
サンフォーナ(アコーデオン)、トリアングロ(トライアングル)、ザブンバ(太鼓)による典型的なフォホーのトリオ編成。
これは楽しい。
サンフォーナの蛇腹を小刻みに震わせて16ビートで和音を刻んだり。
左手のボタンはどういう仕組みになっているのかよくわからないが、サンフォーナ(アコーデオン)はすごい可能性を秘めた大変魅力的な楽器であるなと感じる。
ここでのザブンバはこれまで見た事がない革新的にファンキーなビートを叩きだしている。
右手に持つ太いマレットでBD(バス・ドラム)にも似た低音、左手の細いスティックでSD(スネア・ドラム)にも似た音を出すのだが、そのコンビネーションがまるでドラムの名手、スティーブ・ガッドを聴いているかのようである。
素晴らしいグルーヴ。
時折ふらっとやって来るミュージシャン達と全ての楽器が入れ替わったが、ここでもやはり色の黒い人ほどリズムがよく通る。
ハギレが良いというか。
ホントに全然違うからイヤになってしまう。
私たちは黄色人種で、それほど色は黒くないですからね。
トリアングロはチキチー、チキチ-の定型を基本的には守るが、歌の合間に緊張感のあるブレイクをはさむ事もある。
これも黒い人のワザ。
これらをこんな間近で見る事が出来るなんて、本当に愉快な気分。
演奏はまだまだ続いていたが、ビールを飲み終え、午前1時頃この海辺にあるレストランをおいとまさせて頂く。