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朝から一曲 28 sept. 2006

朝、起き抜けに一曲思い付く。
「Mi Gran Madrugada(私の夜明け)」、バラードです。
ピアニカで作ると自然と伸びる音が多くなる。
知らず知らずのうちに作曲する環境の影響を受けてしまうようだ。
対照的にピアノで作るときには自然と和声が細やかになる。
ブラジルのビール、懐かしきスコールを2缶開ける。
これはこれで結構うまいじゃないか。
ちなみに同じ値段でアムステルって銘柄が売られているけれど、これの味は最低です。
9時過ぎにチェックインの時にミスターポーと約束していた部屋替えの知らせがやってくる。
早いなぁ・・・部屋替えの約束はしたけれど、てっきり午後だろうと思っていたよ。
もう次のお客さん来てるし、知らせが遅く、ちょっと要領悪いね。
ポーはインダーのダイバーなんだけど、どうも個人的にはプロのダイバーって胡散臭い人が多いように感じる。
ちょろいお金儲けしていたり、始終女の子を口説いていたり。
ま、たまたま今までに出会ったインストラクターやってるダイバーたちがそうなだけかもしれませんが。
今回の部屋はAC25、なんだかさっきまでのAC24より全体のクオリティが高いぞ。
難を言えば洗面台の排水が漏れる事くらいか。
窓も二つで明るいし、今まででは一番気に入った。
この部屋が明るいというのは、私にとって大切な要素。
どうも暗い部屋だけは頂けない。
例えば窓のない部屋。
いくら安くてもなるべくなら泊まりたくない。
って、この部屋以前にも泊まったことあるんだけど。
お昼、泳ぎに行く。
波は荒めだがクラゲは殆ど消えている。
不思議なもので、ティオマン島、パヌーバやサラン辺りのクラゲは、大量に着岸しても二日後には消える。
いつものように桟橋の向こう側の砂浜から中国人宿方面へ向けて泳ぐ。
つまりサラン湾の端から端までなんだけど。
波が荒いから透明度は低い。
とはいえ浅いところなら海の底まで見える。
たぶんこれでも5~6mくらいまでの深さなら見えている。
満ち潮だったのでいつもは泳がない岸に近めのコースも泳いでみた。
浅瀬の珊瑚には魚がうようよ着いている。
もちろん少し沖合の大珊瑚も見に行った。
大珊瑚には船が座礁しないようにブイが立っているので、見つけるのは簡単だ。
中国人宿のさらに右奥沖合で、大潮の干潮時に陸から見た桃色珊瑚の群生を、今日は海中から眺めたくてあちこち泳いで探してみるが見あたらない。
海は広いからね。
そうこうしているうちに中国人宿の沖も越えてジャングルの断崖下まで辿り着いてしまった。
少し引き返して上陸すると、さっき泳いで越えてきた桟橋が、遙か彼方にかすんで見える。
そういえば泳いでいる途中、うっかりしてクラゲが手に当たった。
・・・全く痛くない。
あの丸っこい、ずんぐりとした、寒天質90%のクラゲは怖れる必要がないのだろうか。
触手に当たらなきゃ痛くないのか、はたまた毒を持たないクラゲもいるのか、見当が付かない。
一度思い切ってクラゲのあちらこちらを触ってみれば、どこに毒があるのか、あるいは毒を持っていないのか、はっきりとわかるのだろうが、それを試す勇気はない。
そういえば、今年はまだクラゲに刺されてないな。
クラゲは本体に当たってももちろん痛い思いをするけれど、見えづらい、ちぎれた触手の浮遊物に触れてもチクリと痛い。
過去最も痛かったのはやはりカツオノエボシだな。
俗に言う、電気クラゲはこれ。
触手のカタチ通りに何十センチメートルにもわたって、触れた場所が赤く腫れて痛む。
これがずっとヤケドをしているような、実に嫌な痛みなんだ。
その痛みも翌日にはおさまるけれど。
その他クラゲのくせに泳ぐのが速いヤツもいるので、これも要注意。
小さいが、当たると結構痛い。
午後、ピアニカを練習する合間、歌詞にメロディー付けを試みる。
これは案外集中力を必要とされる作業だ。
ただメロディーを奏でる自由さから打って変わって、歌詞という制約がある。
メロディーを付けるうちに歌詞にも若干の修正を加える。
いくつかやってみたが、いずれもまだ未完。
夕方にも泳ぎに出かけた。
なんとしてもここでこの先半年分の体力を付けておかねば。
日本に帰っての日常の中では、運動する余裕は全くないから、とにかく今ここで鍛えられるだけ体を鍛えておく。
海に入ってみると、お昼に引き続き、いや、むしろ今の方が潮が濁りを増している。
小型から中型くらいまで色とりどりの魚が珊瑚礁に群れている。
クラゲは全くいなくなった。
いい気になって、クロールでスイスイ泳ぐ。
・・・イタタ・・・痛っ。
やっぱりな。
クロールで泳ぐときに限ってクラゲに当たるんだ。
それでも個体は見えなかった。
痛かった前方には海草のようなものが浮かんでいる。
だから多分、触手の切れ端に引っかかったんだな。
紐の形に沿うように顔の両頬がヒリヒリする。
ちょっとパニックって、腰をヒネッたっぽかったのですぐに岸へと引き返す。
すぐと言っても、ここから岸まで目測300m。
あわてずゆっくりと泳ぐしかない。
部屋に戻ってシャワーを浴びても、まだ両頬が痺れている。
今日は夕陽が綺麗だ。
部屋の一方の窓から西日が射し込む。
といえ、遮熱ガラスのようだし、エアコンが入っているからまったくもって快適だ。
ベランダに出て西日に当たっても暑くない。
赤道直下とはいえ、島は案外涼しいのである。
ここでは運動しないなら、ちょっと歩いたくらいでは汗なんてまったくかかないな。
隣の部屋に中国系のカップルが入った。
再び歌詞にメロディー付けをしてみるが、どうも自分にはピアノを弾きながらメロディーを歌うような感じで作曲した方がしっくりくるようだ。
頭の中だけや、ピアニカで思い付いたメロディーを吹くのみだと、曲調がストレートになり過ぎるきらいがある。
今回作っている曲はどれも直球っぽい作品ばかりだ。
ちょっとしたスパイスとしてひとひねりした和声付けをするには、ピアノという楽器が強い味方になる。
歌詞にメロディー付けするのは、もしかしたら帰国後にサクッとやってしまった方がよいかもしれないなと考え始めている。
今は、とりあえずピアニカをあてもなく吹くのが楽しい。
作曲や作詞もよいけれど、こうして思い付くままにピアニカを吹き続けるのが最も楽しいな。
ピアニカでアドリブする場合、ピアノでする時とは随分感覚が違ってくる。
左手でコード付けする必要もないから(出来ないし)、より自由な感じがする。
・・・と、いうか、よくよく考えてみれば、ピアノでアドリブする時も別に無理矢理コード弾く必要はないやね。
今度ライブで試してみよう。
ピアニカなどの、基本的には単音のメロディー楽器でアドリブする時は、コードをイメージするのではなく、いつの間にかテーマのメロディーを常に頭に置きながらその上にアドリブのイメージを重ねて演奏している。
私の場合はそんな感じだけど、他の管楽器奏者は一体どうしているのだろうか。
クラゲに当たった頬の痺れは夜半過ぎに消えた。

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