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徒労 15 junio 2007

 既に強い日差しが照りつける中、朝から換金に動く。
 街に出ると相変わらず声がかかりまくる。
 部屋の隣人だと言う男から声がかかり、さすがに断りづらかったから彼の薦める換金所へと案内されるがままに付いて行ってみる。
 なんでもキューバ人と一緒に換金しに行くと、ずっとレートが良いとか。
 あまりにも嘘くさい話ではあるけれど、しばらく行かなかった3年間に大きく事情が変化している事は承知していたので、途中、信頼できる大使館のアントニオに電話、よい換金場所などを教えてもらった。
 一応その隣人に付いて行ってみたら、これが全くあてにならないというか、彼の薦める場所ではことごとく日本円からは換金不可だった。
 しかもいざ換金のタイミングでは放っておかれたから、キューバ人と行くとどうのこうのという話もまったくの作り話だったのだろう。
 しまいには、何かくれとたかられて気分悪く別れる。
 今、持ち合わせがないと言うと、彼、アルマンドは振り返りもせずに去って行った。
 初めはベダド地区にあるバンコ・フィナンシエロに行こうとしていたのだけれど、結局今はCerro地区の入り口に近い方まで来てしまった。
 アントニオお勧めのカデカはアバナビエハ(旧市街)地区のオビスポ通りにあるから、ちょっと遠いのでタクシーで移動する。
 ホテル・フロリディータまでタクシーで行き、そこからオビスポの細くてしかし賑やかな道を奥の方へと歩いて進む。
 はたしてアントニオお勧めのカデカはありました。
20070616Obispo.jpg
 カデカはオビスポ通り、電話会社ETECSAオフィスのもう少し先にあります。
 両替率は138円=1CUCだった。
 12万円がたったの872CUCにしかならない。
 キューバ国内の物価はドルの時代と勘定が一緒だから、円安と相まって相当な目減りだ。
 正直痛い。
 初めてキューバに来たときには1万円が$110くらいにはなったのに、今は同じ1万円が$73にしかならないのだから 信じられないくらいの目減りだ。
 両替を済ませた帰りがけにソンのバンドを見る。
 ギター、フルート、ベースにマルチパーカッション、それにカンタンテ。
 ビエハにあるちょっとしたレストランでこうして聴く事が出来る何気ない演奏が素晴らしい。
20070616Vieja%E3%81%AE%E3%83%90%E3%83%B3%E3%83%89.jpg
 あまり時間がないのでタクシーで帰宅、慌ただしく再び宿を出てエリサベスの家に行く。
 久々の再会だ。
 彼女はいつだってにこやかで穏やかで素晴らしい。
 私の大好きなピアニスト、ゴンサロ・ルバルカバの姪っ子。
 タクシーを呼び、一緒に彼女のバンドのエンサーヨ(リハーサル)を見に行く。
 ピオレイバの残したバンドだそうだ。
 演奏はもちろん素晴らしい。
 メンバーのほとんどが来日した事もあるミュージシャンだ。
 エリサベスの相方のカンタンテ(ボーカリスト)はNGラ・バンダで来日したという。
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 ピアニストのプレーに見惚れる。
 そういえばこんなだったよな、キューバ人の演奏は、って。
 こうして日本で失っていた何かを再び取り戻し始める。
 2時間ほどでおいとまさせて頂き、今度はISA(Instituto Sperior de Arte・・・キューバ国立芸術大学)へ向かう。
 今、大学祭で今日はフルーティスト、マラーカの演奏があるからと聞いていたので、それを聴きに。
 それにお兄さんのペドロとは日本でたびたび演奏させてもらっているから挨拶もしたかった。
 向かう道は大雨、冠水がひどい。
 今回、6月は一年で最も雨が多い季節とはいえ、ちょっと量が多すぎる感じだ。
20070616%E5%A4%A7%E9%9B%A8.jpg
 大雨で渋滞する中、なんとか大学に到着するも、なんとコンサートは雨天のため中止だと言われる。
 残念だが仕方ないだろう。
写真:ISAの正面玄関にて
20070616ISA.jpg
 ビエハからタクシー代約9CUC。
 痛い。
 レセプションでタクシーを呼んでもらうも到着まで1時間待てとの事。
 この雨で街中がタクシーを必要としているのかもしれない。
 しかして、1時間待ってもタクシーは来なかった。
 仕方なく歩き出す。
 程なくマキナ(キューバ人のタクシー)を拾う。
 途中までの約束だったので道半ばで降ろしてもらう。
 一人5ペソ(=CUC0.21)だ。
 降りるとすぐにセントロ行き222番のバスが来たからそれに乗り込む。
 こちらはたったの40センターボだ。
 ラッキーな接続。
 これだけ料金が違うから、今まで滅多な事ではタクシーなど使う事もなかったが、今回は頻繁に使うなあ。
 短い滞在に予定が詰まっているから、これも致し方のないところ。
 宿に着いた瞬間にネレイダから電話。
 着替える時間もなく、ルバルカバ家へと向かう。
 そして今晩はご馳走してもらっちゃいました。
写真:最後のデザート、プリンがとても美味しい!
20070616Fran.jpg
 とめどもなく会話が弾む。
 エリサベスの彼氏も紹介してもらった。
 エルネスト、29歳の録音技師。

藤田浩司-koji fujita-

DrumStudio LA FIESTA


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