さよならラバーナ(La Habana)、こんにちはトロント(Toronto) 12 julio 2007
今日も比較的早起きをして荷物をまとめる。
すべての日程を終えて本日帰国の途に着く。
おみやげを渡し終え、消耗品は使い尽くし、帰りには荷物が軽くなっている予定だったのに、たくさんの頂きものでかえって重いくらいだ。
11時頃、ルバルカバの家にお別れの挨拶をしに行った。
エリサベスがきれいな服を着て待っていた。
そしておみやげをもらった。
日本に到着するまでは開けるなと言う。
また壊れやすいとも。
それが何であるのか、とても楽しみだ。
ネレイダがデサユノしていかないの?とありがたい事を訊いてくれるので朝食(デサユノ)を頂く事に。
ハムサンドにマンゴージュースを頂いた。
これでしばらくマンゴージュースは飲まないだろうな。
エリサベスの彼氏エルネストもスタジオの仕事を終え、挨拶をしにルバルカバの家へとやって来てくれた。
一緒に写真を撮る。
偶然か意識的にか、マリアナウに住むティンバレスの巨匠ボニアティージョもやって来た。
先日頂いたCDのお礼を言う。
そうこうしているうちに慌ただしくもお別れしなければならない時間がやって来た。
電話をかけ、タクシーを呼んでおく。
扉のところで最後の挨拶をする。
アスタ・ラ・プロキシマ!(また次回!)
宿に戻ると今度はイルダと挨拶だ。
記念に写真を一枚撮らせてもらった。
とても居心地の良い宿なんだ。
エレベーターで階下へ降りると、すでにピカピカのパナタクシーが到着していた。
エアコンが快適だ。
車窓に過ぎ往く風景を惜しむ。
そう言えば革命広場とか、こちら方面の名所は何もまわらなかったな。
ラバーナは人口230万人ほどの都市というわりには、少し走るとすぐに田舎の景色だ。
空港に着いた。
やはりパナタクシーを呼ぶに限る。
空港まで12CUCしかかからない。
ありがたかったからチップをはずんだ。
行きのタクシーは偉そうな車ではあるが、無条件に25CUCを要求してくる。
次回は行きにもパナタクシーを呼ぶ事にしよう。
電話番号は855-5555。
ホセ・マルティ空港の国際線ターミナルは3だ。
小さいながらも近代的なターミナル3。
メキシコのカンクンにある空港と似た雰囲気かな。
初めて来た頃、飛行機にかけられたタラップをマッカーサーのように降りてパスポートコントロールのある建物へと向かったのも、いまや昔話だ。
チェックインカウンターにはかなりな人の列。
しかしまあまあの所要時間でチェックインをし終える。
チェックインの後、キューバでは出国税を払いにそのカウンターへ行き25CUCでチケットに収入印紙のようなものを貼ってもらわなければならない。
ちょっと面倒で、また忘れやすい事項だ。
大抵の国へはチケットを買った時に合わせて空港諸税を支払えるのだが、この国だけはそういかない。
チェックイン手続き終了後、まずは昨晩行けなかった事をロベルト・コンセプシオンに謝りたくて、あちこちと電話を探す。
私の持っている国内通話専用のカードを受け付けてくれる電話機が見つからない。
コインを入れる電話も見つからない。
疲れるから空港中を探し回ったわけではないけれど。
空港内のカフェテリアで今回最後のブカネロを飲む。
ここでは1.5CUC。
出国審査を終えた後となると、値段は2.5CUCに跳ね上がる。
その出国審査も非常にスムーズだった。
エアラインもクバーナではないから何も混乱がない。
キューバ行きには絶対にエア・カナダを使うべきだろう。
クバーナは以前にも機内で煙を噴いたり、機体の整備に時間がかかり出発時刻が遅れに遅れ、しかも翌日発になるかもしれないなんてアナウンスが流れ、それでも大した補償もない。
実際クバーナはよく落ちる。
以前調べた事があるが、アフリカ系のいくつかの航空会社よりはマシなものの、はっきりとは数字を覚えていないけれど例えば日本の千歳空港の発着数で換算すると年に4機くらいは事故を起こしているとか、マジでかなりヤバいし当てにならない。
メヒカーナも結構色々とやってくれる会社だ。
とはいえクバーナとは雲泥の差がある。
しかし、普通にストレスを感じないのはこのエア・カナダだ。
安いし、お薦めです。
さよならキューバ、さよならラバーナ。
愛する人たち。
そして私は機上の人に。
エアカナダ、トロント行き965便にて。
機内食の軽食、ハンバーガーやサンドウィッチは有料だ。
6ドル。
結局食べなかったからスチュワーデスの言ったドルがカナダドルなのか、米ドルなのかはわからない。
常識的にはCADだろう。
久々にノーマルなコーヒーを飲んだ。
もちろんこれはこれで結構。
キューバではキューバのカフェが美味しいし、日本に帰れば挽き豆してペーパードリップで飲むコーヒーが美味しい。
機内では英語が普通になりつつある。
残念だが仕方なかろう。
青い目をした前席の少女が何度も後ろをのぞきこんでくる。
今のうちに色々な人に手紙を書いておこうと思う。
日本に帰ったら多分暇がない。
今回自分には直接関係ないが、カナダ国内に免税で持ち込めるアルコールの量はリキュールだったら1.14リットル、ワインでは1.5リットル、缶ビールは24本までだそうだ。
ジェットは着陸態勢に入る。
高層ビルが林立し、鋭く高いタワーもそびえるモダンなトロント市街の向こうに、水平線しか見えないからそれはまるで海であるかのような青いオンタリオ湖が広がる。
オンタリオ湖は五大湖のうち最も小さいが、それでも世界の淡水湖中、14番目に大きい。
トロントのピアソン国際空港へは予定より10分早い18:10に到着した。
出国審査と税関を抜けて、まずはインフォメーションで市内への行き方を聞き、それからツーリストエイドで市内マップをもらい、19時頃から市内へ抜けるバスを探し始める。
始めはGoBusというのに乗ろうかと思っていたのだけど、#192の市バスが先に到着したところでその運転手に訊いたところ、地下鉄まで行くと言うからそちらに乗ってみた。
どちらもターミナル1の出国ゲートを出た1階下にあるバス乗り場から乗る事が出来る。
地下鉄一番はじっこの駅、キップリング駅まで15分ほどで到着した。
そこから市内までは地下鉄で30分ほどだ。
だからうまくつながれば、空港のバス乗り場から2.75カナダドル、50分くらいで市内中心部まで到達出来る。
一度Bloor-Yonge駅で乗り換えてCollege駅で地下鉄を降り、さてどちらの出口から出ようかと改札の少し先で地図を眺めていたところ、「何か困っていますか?」と、大きな体をしたご婦人が私に声をかけてくれた。
バスに乗っている間に、持っていた地図へと印を付けておいたので、「ここに行きたいんです」とホテルの場所を指さしてみた。
そうしたら、その場所は夜になると治安の悪い場所なんだと教えてくれて、しかもホテルまで連れて行ってくれるという。
場所はもうわかっているし、充分ではあったけれど、ここは彼女の親切にあやからせて頂く事にする。
駅構内のお菓子屋さんで店員に話しかけ、私たちにお菓子の試食を振る舞うように言う。
ちょっと恥ずかしかったけれど、頂いた。
店員は中国系の顔立ちをしていた。
道案内のあいだに運悪く、雨が降ってきた。
「いや、すみません」と話してみる。
「イギリスでは夏の間は毎日こんな天気だから大丈夫よ。」と笑顔で話す彼女。
イギリスから移住してきたそうだ。
今はチャイナタウンに住む、底抜けに明るくて親切なマリアンヌ。
私は日本人だけれど、今日はキューバからの帰りだという事を伝えた。
すると、彼女もキューバへバカンスに出掛けた事があると言う。
カナダの住民にとってキューバは手頃なリゾート地だそうだ。
6万円弱で一週間の高級ホテル滞在、しかも滞在中の食事と飲み物はすべてフリーだという。
オールインクルーシブで一週間6万円弱!
カナダ人にとってキューバへ行く事は、日本から手軽にグァムやサイパンへと出掛ける感覚と一緒なのだろう。
トロントのチャイナタウンでは日本食などアジアンフードが900円ほどでお腹いっぱい食べられるらしい。
また、近くのマーケットではフルーツが非常に安く手にはいるそうだ。
駅から15分ほども歩いてホテルに着いた。
ロビーで少し話をしたけれど、ほどなくして爽やかに彼女はその場を去っていった。
ありがとう、嬉しかったよ、マリアンヌ!
その後、雨はすぐに止んだので夕方の街へと散歩しに行く。
夕方といってもすでに21時半だ。
あたりはまだ薄明るい。
ここは高緯度地域なのだという事を感じる。
街は地下鉄の走るYonge通りに出ると華やかさを増す。
ここからオンタリオ湖方面に向けて歩いてみた。
トロントは人口67万4千人、オンタリオ州の州都にしてカナダ最大の街だ。
ナイアガラの滝に水力発電所を持つおかげで、工鉱業の中心として栄えている。
街ゆく人は私たちと同じ北東アジア人も非常に多い。 もちろん白人も黒人もいる。
ラティーノもいれば、南アジア系の顔をした人もいる。
それから頭巾で髪を広く覆ったムスリムも。
今まで見たどこの街よりもトロントは多民族都市だ。
配分が散らばっている。
街はとても涼しい。
まるで真夏の夜の札幌でも歩いているかのようだ。
Yonjiからユニオン駅方面に向かってすぐのところに怪しい街があり、そこいらへんに手頃な値段の日本食屋、アラビアンフード、その他諸々がある。
それから、どこのコンビニを覗いてみてもアルコール類は一切置いていない。
そこいらへんは米国と随分と様子が違う。
1時間半ほど散歩した帰り、ハンバーガーショップに寄った。
コンボの値段は日本より高いが、その量とクオリティを考えるとむしろ日本よりずっと安い。
ドリンクの量は日本と米国の中間だ。
写真:ホテル、客室の中
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